死んだように眠っていると自覚があった。 眠っているのに意識があった。 『ん…』 寝返りを打とうと体をねじる。 ジャラ…足首に冷たい物がまとわりついてきた。 ゆっくりと瞼を開ける。 頭が ぼぅっとする。 体が重い。 が、すぐに目が冴えた。 視界に入った手首には、手枷がはめられているではないか。 『…!?』 体を起こして見てみると、足首にも同様に足枷がはめられている。 『びゃーくやっ。』 歌うように、彼が僕の名を呼んだ。 瞬間、もう逃げられない…、僕は悟った。