回していた手に力を込める。


「離さないでね。ずっと、そばにいて…」


「もちろん。離してと言われても離さないから。桜香はずっと俺のもの…」


大きな手で頭を何度も何度も撫でてくれる。


どんなことがあってもこの手に撫でられると心がとても落ち着く。

どんなときでも、いつでも千太郎がいてくれて良かった。


「かわいい桜香。…好きだよ。大好き。絶対離さない」


囁かれる愛の言葉に酔いしれながら、気持ちの良い眠りについた。