はやく俺を、好きになれ。

校門の塀に寄り掛かると、真優は俯いた。


麦わら帽子の鍔で顔が隠れ影ができる。


生ぬるい風が吹き、ひらひらと花柄のスカートの裾を揺らす。



「……真優のこと、嫌いなの?」

「は?」



いきなり変なことを言い出す真優にポカンとする。呆気にとられる俺は、マジマジと真優を見つめるが俯いていて表情は分からない。