「そういう2人は好きな人いないのー??」

「あ、あたし実はいるんだぁ」

「麻友、マジか?!」

「うん」

あたしはやけに食いついた。

だって気になるから。

親友の好きな人はどんな人かって。


「んで?だれよ??」

「えっと・・・」

麻友の顔が染まっていく。

かわいらしい。

なんというかまるでりんごみたい。


「その・・・加田 和輝くん」

「「・・・?」」


葵とあたしは思わず首を傾げてしまった。

誰かわからなかったから。

「ごめん誰?」

「えっと・・・5組の人。」

「かっこいい??」

「ふつーかな。」

「そっかぁー・・・(ニヤ)早速見にいこー!!」


あたしと麻友のやり取りが盛り上がってしまっていたので

葵はとてもつまらなさそうだった。


「あ!!葵ごめんね><」

「いいの!気にしないで。」

(ゾクッ)

「・・・そっか」

このとき感じたいやな予感と微笑が

気のせいじゃなかったことを知るのは

まだまだ先のことー・・・



「・・・あ!!そういえば席替え近くなってきたね」


「おもう~」



「さびしくなっちゃうね~」

「でもうちらの友達の絆が消えるわけじゃないし

気にしなくてよくない??」


「それもそだねーww」



わたしはこのころ笑っていた。

席替えによっておこる悪夢を知らずに。