ヤンキー君と異世界に行く。【完】



「まずその前に、お前たちがどうしてこの世界にやってきてしまったか、だが」


シリウスが合図をすると、カミーユが再びタブレットから映像を呼び起こす。


すると仁菜と颯の目の前に、地球の世界地図ではなく、その裏側についていた見たこともない地図が映し出された。


よく見るとそれは、地図というよりは、航空写真のようだ。


その真ん中に、太い川が流れている。


川の左側は、緑が生い茂っていた。
広大な森だろうと仁菜は推測する。


反対の右側には、広大な砂漠。
その中に、蜃気楼のようにも見える、巨大なビル郡があった。


仁菜が知っている地球の建物とは少し違うようだ。
それらは白い石のようなものでできているようで、砂漠の中の蜃気楼に見える。


地図の端にはまたオアシスみたいになっているところもあるが、大きく分けると左の『森』と右の『砂漠』になっているようだった。


「……なんで……」


こんな地図は見たことがない。


川を挟んで、これだけ環境が違うなんて、ありえない。


仁菜はシリウスの目を見た。答えを教えてもらうために。