腰迄 伸びたロングストレートの赤髪、大きな茶色の瞳、白い肌。白い胴着に、赤い袴。
まるで巫女のような姿を した17、8歳くらいの少女の背中には。
赤い炎を纏ったクリーム色の翼が生えていた。
「私こそ すみません。貴方に集中し過ぎて、近付き過ぎちゃいました。」
「……は?」
“貴方に集中し過ぎて”?
何だか、少し意味が違えば変態のような発言を された。
「……それよりも……その羽……。」
「あぁ、やっぱり見えるんですね。」
少女は可愛らしい笑みを浮かべて、自分の翼を撫でた。炎で包まれているのに、少女の手が燃える様子は無い。
「では やはり、貴方が そうなのですね。」
「はい?」
“そうなのですね”って。
何が“そう”なのか、愛光には ちんぷんかんぷんだ。
「あの、今、お時間 宜しいですか?」
少女は そう言って、微笑む。
「何処かで お茶でも飲みながら、話を しませんか?」
――ナンパだ。同性にナンパされた。
愛光は そんな事を思ってしまった。


