予言と未来




大広間迄 進むと、大爺様が待っていた。



「大爺様、只今 戻りました。」


「うむ、お帰り。悪魔と戦ったそうだな。」



リホの言葉に大爺様は頷き、ライネスに目を向けると、彼を手招きした。



「ライネス、此方へ。」



素直に従い、目の前に進み出たライネスの頬に、大爺様は手を当てる。



「6年振りじゃな。元気だったか。」


「……はい。」


「お主が村を出て行った時は、孫を失くしたくらい寂しかったぞ。」


「すみません……此処は居心地が悪いですから……。」


「解っておるよ。今日 来るのも、勇気が要ったじゃろう?」



あんなに毒舌を吐いていたライネスの敬語に、愛光達は ぽかんと口を開けてしまう。



「……ライネスって、大爺様と親しかったの?」



「孤児に なってからは、僕と一緒に、お祖父ちゃんに育てられたんだよ。」



愛光が囁き声で質問すると、リーも小さな声で答えてくれる。



「だから僕にとってライネスは、お兄ちゃんみたいな存在なんだ。」



「え!? そんな素振り、全然してないじゃん。」



「ライネスは僕の事、嫌いみたいだったし。てゆうかライネスは、お祖父ちゃん以外に心を開いてないから。」



「リー、それ傷付くんで言わないで下さい。」



リホが苦笑いを しながら そう言った。