予言と未来




村に入ると、道端で楽しそうに話していた主婦や、遊んでいた少年達が、驚いたような顔で此方を見た。



……正確には、愛光達と共に居る、ライネスを。



「……おい、あれ、ライネスじゃないか?」



「何で此処に帰って来たんだよ。」



「てか、まだ生きてた訳?」



そんな誹謗中傷が聞こえて来て、思わず愛光が少年達を見ると、彼等は さっと目を逸らした。



そっとライネスを見上げれば、いつも通りの無表情だが、瞳の奥に居心地の悪さを感じさせる光が在る。



(……ライネスって、嫌われてるの? これが解ってて、村に入るの、嫌がったのかな?)



リホ達も、悪口を言われている事に、気付いたようだ。



しかし そのまま、愛光達は無言で、大聖堂の前へと やって来た。



「あ、じゃあ俺、戻るわ。じゃあな。」



リーヤと別れ、愛光達は大聖堂へ入った。