予言と未来








村から10メートル程 離れた場所で、ライネスは「此処で待ってるから。」と言い出した。



「だから、なんでだよ?」


「寧ろ何で解らないんだよ? 村に住んでるくせに。」



ウィンとライネスは また口論を始めてしまう。



「わっかんねェよ、何も。」


「私も解りません、ライネス。」



リホも静かに口を開いた。



「そんなに村には行きたくないんですか? 昔 虐められてたから?」


「……お前、まだ その話 引き摺ってんのか。」



ライネスは呆れたように溜め息を つくと、近くの木に背を預けた。



「兎に角、行かないからな。」


「……ライネスぅ、また発光(ライト)使うよ?」



見兼ねた愛光が そう言うと、ライネスは恐ろしく鋭い瞳で、愛光を睨んだ。



「何度も脅しが通用すると思うな。」


「我儘 言わないの!」



そう言ってライネスの腕を掴んだ瞬間、彼は熱い物に触れたかのように、素早く手を引っ込めた。



「?……ライネス?」


「……解った、行けば良いんだろ、行けば。だから触るな。」



そう吐き捨てて歩き出したライネスの後を、リホ達は追い掛ける。


しかし愛光は、その場に固まったまま動けなかった。