「勝ちゃぁ良いのよ勝ちゃぁ。そもそも女が怯えたくらいで、戦いを放棄するなんて、これから先 生きて行けないし。」
愛光は ふてぶてしく笑う。
「……ああ……痛ェ……。」
目を手で覆ったライネスは、生理的な涙を必死に止めようと する。
愛光の言葉に、リホ達は苦笑いを浮かべるのみだ。
「さぁライネス。負けを認めなさい! 男らしく!」
「……お前、マジで嫌いだ。」
ライネスは、恨みが籠った瞳で愛光を睨む。
「嫌いで結構。で? 負けを認める?」
「……約束は、約束だ。」
納得が行かないと言う顔を しつつも、ライネスは頷く。
「よしっ。」
ガッツポーズを作った愛光の頭を、レイムは軽く はたいた。
「よしっ、じゃないよ!」
「良いの これで。楽しかったし。」
そう返して、愛光はライネスに手を差し伸べる。
「これから宜しくね、ライネス。」
「…………。」
ライネスは無言で その手を見つめた後、ふいっと顔を逸らした。


