がつっと、嫌な音が響く。
ライネスの剣が、愛光の右肩を殴っていた。勿論 鞘は付いたままだから、鈍い痛みしか感じられないが、それでも戦っていると言う現実に、今更ながら足が竦む。
「アイカ!!」
自分の名が呼ばれるのを聞きながら、愛光は その場に尻餅を付いた。
愛光の前に真っ直ぐに聳え立ち、ライネスは彼女を見下ろした。
「何だ。威勢が良いと思ったが……やはり こんなもんか。」
「もう良いだろライネス。終わりに しよう。」
ウィンが声を掛けると、ライネスは ふんと鼻で笑った。
「言われなくても。無抵抗な女を傷付ける趣味は無い。」
そうして彼が構えを解いた瞬間。
「……!?」
今迄 下を向いていた愛光がライネスを見上げて、にっこりと笑った。
「発光 (ライト)。」
「な……っ。」
愛光が呟いた その刹那。
ライネスの瞳を、強烈な光が襲った。彼は咄嗟に腕で目を庇うが、余りの眩しさに、よろよろと後退る。
やがて光が収まった時、ライネスの瞳から、ぽろりと涙が零れた。
「眩……っ……てめェ、汚ねェぞ!」
「アイカ汚い!!」
ライネスとウィンの声が、重なった。


