「…………。」
ライネスは諦めたように溜め息を つくと、愛光の目の前に つかつかと歩いて来た。
「お前さ……失礼にも程が在んだろ。」
漸く まともに会話する気になったライネスを見て、愛光は にっこりと微笑んだ。
「貴方も初対面の時から失礼だったから、お互い様。」
「はぁ!?」
ライネスは あからさまに眉を顰めた。
「それで? どうして仲間に なってくれないの?」
「……戦うのは、好きじゃない。」
「そんなに強いのに?」
さっきと同じ言葉を繰り返してみたが、ライネスは やはり それには答えなかった。
「……でも私、ほっとしてるんですよ。」
無言で睨み合う愛光とライネスに、リホが口を挟んだ。
「昔 貴方は、とっても弱かったから。」
「おいっ!」
「え、何それ初耳!!」
リホの発言に声を荒げるライネスと、ウィンの楽しそうな声が重なった。
「昔はライネス、とっても魔法が弱くて、いつも虐められてたんですよ?」
「おいリホてめェ!!」
慌ててリホの口を塞ごうと したライネスの肩を、リーヤが背後から引っ掴んだ。
「まぁまぁ、面白そうな話だからさ、ゆっくり聞こうよ。」
「はぁ!? ふざけるなっ! てゆうか あんた誰だよ!?」
ライネスはリーヤの腕から逃れようと するが、僅かにリーヤの方が体格が良いらしく、身動きが取れないようだった。


