村から少し離れた街道。
周りに人が居ない事を確認して、リホ達は変身すると言った。
愛光とレイムは言われた通り、少し離れた木の脇に腰掛ける。
「変身するの見るの初めて!」
両膝に肘を付いたレイムは、愛光の隣で にこにこと楽しそうに笑う。
「ね、レイムは何で、予言の登場人物だって解ったの?」
訊くと、レイムは笑顔を崩さずに、愛光を見つめた。
「解ったんじゃないよ。」
「え?」
「アイカ達と歳が近い天使の女の子で、志願したのは うちだけだったから。」
「えぇっ!?」
驚いて思わず叫んだ愛光を見て、レイムは声を上げて笑った。
「アイカが言ったんじゃん。予言は あくまでも予言だって。」
レイムは変身する為に距離を取って立っているリホ達を見る。
「リホとライネス、だっけ? はさ、巫女と生き残りって事で確実だけどさ、ウィンとリーと うちは、唯の志願者だよ。」
「そう、なんだ?」
「“誰よりも速く空を翔ぶグリフォン族”。色んな村に、色んなグリフォン族が生きてるんだよ? 誰が速いかなんて、解る訳 無い。
“誰よりも勇気を持っているペガサス族”。勇気なんてさ、目に見えないし、どれが1番 大きい勇気かなんて解んないよ。
“人々を明るみに導く力を持つ天使”。そんなん、誰にだって出来るよ。」


