「へぇ、無視ですか そうですか。」 美雪は尚も嫌味ったらしく言うが、それでも愛光は答えなかった。 愛光は、嫌いな人は がん無視だ。 構うだけ無駄だと、彼女は言う。 そんな人に、わざわざ自分の大事な言葉や気持ちを言う必要は無いそうだ。 ――空気だと思えば良いんだよ〜、ちょっと臭い空気〜。 愛光は いつも そう言って、強気な笑みを浮かべていた。 (愛光は高嶺さんの事、空気だと思ってるのかな……?) 友美は無言で携帯を弄り続ける愛光を見ていた。