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「……で、契約の門迄どうやって行くの?」
大爺様から契約の門の事を聞いた日の夜。
大聖堂のリホの部屋のソファーに腰掛けて、愛光は尋ねた。
部屋に居るのは愛光とリホの2人だけ。他の仲間は自分達の家に帰り、翌朝 契約の門へ行く事に なったのだ。
12歳の時に巫女として大聖堂に来て以来、リホの家は此処なのだそうだ。
この村の住人でない愛光は、リホの部屋に お邪魔する事に した。
リホは作っていたアイスティーを愛光に手渡し、自身もソファーに腰掛けた。
「えっとですね、この村の者が、契約を しに門へ行く場合は、グリフォン族が運んでくれるんです。」
「へぇ。」
「なので、アイカさんとレイムさんはグリフォン族に運んで頂けば良いかと。私とウィンとリーは、翔べますから。」
「ふぅ……ん?」
何だか とんでもない事を言われた気が する。
「“翔べますから”?」
「はい。」
当然でしょう、と言う顔で、リホは頷く。
(た……確か本来は、それぞれの族の姿なんだよね……?)
リホに聞かされた話を思い出す。
(だとしたら……確かに翔べるんだろうけど……。)
「……ねぇ、リホ?それ、どうゆう原理なの?」
「……はい?」
翔べる翔べない以前に、愛光にとっては その方が重要だ。


