「……愛、光……?」



愛光が行方不明に なったと友美が知ったのは、愛光が空界に旅立った日の丁度1週間後だった。

それ迄、忌引きで休みと言う事に なっていた愛光。その愛光が、姿を消したなんて。

(……まさか……。)

自殺したり……してないよね?

友美に裏切られ、親族も亡くなってしまったなんて。

どれだけ苦しかったんだろう。

(……私の、所為だ……。)

私が、愛光を裏切ったから。
美雪のグループで、笑っていたから。

だから愛光は、何処かに行ってしまったんだ。

(……ごめ……御免……愛光……。)

心の中で必死に謝罪する友美の肩を、誰かが ぽんっと叩く。

美雪だった。



「……美雪ちゃん……?」

「残念ねェ、行方不明だなんて。」



美雪の笑みには、友美に愛光を裏切れと命じた あの日のような、冷たい何かが在った。



「次の標的は貴方ね。」

「……え……?」



意味が解らなかった。
いや、解りたくなかった。



「いじめを知ってしまったクラスの皆は、最早いじめ無しでは学校生活が楽しめないのよ。だから新たな標的が必要なの。」

「どうして……私なの?」



友美は震える声で、美雪に訊いた。