ライネスに怒鳴られたリホは、その場に膝を付いた。そのまま肩を震わせて泣くリホの背中を、リーが撫でる。



「……リホお姉ちゃん、大丈夫?」

「……っん、ごめ、んね……ちょっと、泣かせて……。」



そんなリホの様子に どうしようかと どきまぎするウィンとレイム。その光景を見た愛光の胸に、黒い もやもやした物が生まれる。



「ちょっとリホ。何で あんな奴の為に泣いてんの?」

「え、アイカ!?」



いきなり直球を投げ付けた愛光をレイムが止めるが、彼女は言いたい事は はっきり言うタイプだった。



「リホは、ライネスは悪くない人だから、みたいな事 私に言ったけど、全然 意味 解んない。女に対して一方的に怒鳴る人が、良い人な訳 無いじゃない。」



(そう、良いのは顔だけ。格好良いなんて思って馬鹿みたい。)



心の中で そう言い聞かせる愛光を、リホは涙を溜めた目で見上げた。



「……そんな事 解ってます……。」

「……え?」

「だって……だって……。」



リホは、きゅっと唇を噛み締める。



「好きな人の事 悪く言う女が何処に居るんですか!」

「…………。」



リホ以外の皆は、ぽかんと口を開け。



「誰が誰を好きだって!?」

「何で そんな展開に なるの!?」



ウィンとレイムが突っ込んだ。