「お前さあ、何で一緒に来ないんだよ!? 仇 取りたくねェの?」
ウィンの言葉を聞き、愛光はリホに聞いた事を思い出した。
(悪魔が、龍族を殺したんだっけ……。)
ライネスはウィンを見つめると、ふっと息を吐いた。
「……お前、馬鹿が治ってないな。」
「はぁ!?」
「悪魔を殺したって……家族は、仲間は、生き返らない。」
お決まりの台詞を、ライネスは呟いた。
「それは、そうだけど……。」
「加えて、俺は この世界が嫌いだ。だから護る為に戦うつもりは無い。」
「…………。」
ライネスの言葉に反論 出来る者は居なかった。
「護りたきゃ勝手に護れば良い。俺を巻き込むな。」
ライネスは冷たい声で そう言うと、愛光達の脇を通って、家の中へ入ろうとした。
そんな彼の服の袖を、リホが掴む。
「…………?」
「ライネス……。」
リホの声は、震えていた。
「……何で、そんなに変わっちゃったの?」
それは、初めて聞くリホのタメ口。
「昔の貴方は、とっても優しかった。なのに どうして?……私達、友達だよね?」
「……リホ。」
ライネスはリホの腕を引き剥がす。
「俺達は、昔とは違う。」
「何処が!?」
リホはライネスの躰に しがみ付いた。


