「……終わった、のか……?」
しーんと静まり返った空間に、ウィンの掠れた声が響く。
辺りは、とても静かだった。
最初は実感が湧かなかったリーやレイムも、神霊が静かに佇んでいるのを感じて、漸く、理解した。
空界を、護れたのだ、と。
「やったっ!!」
「あたし達、ちゃんと護れたよっ!!」
立ち上がって笑顔でハイタッチを交わす仲間達の中で、愛光だけは、呆然と その場に座り込んでいた。
「アイカさん……?」
異変に気付いたアリィが、愛光の肩に手を乗せる。愛光は ゆっくりと顔を上げた。
「……最後の、何?」
「……え?」
「最後の雷は何!? 声は何!?」
「こ、声?」
意味が解らず首を傾げる仲間を見て、愛光は愕然と した。
――大丈夫。
あれは、愛光にしか聴こえていなかったんだろうか。
大好きな彼の、優しい声……。


