次いで。
《……大丈夫。》
そんな台詞と共に。
「ぎゃああああぁぁああぁっ!!」
ヴィルの絶叫が、辺りに木霊した。
……とてつもないボルトの雷が、ヴィルを直撃したから。
思わず地面に膝を付いたヴィルを、今度は雷の塊がウィロアの近くへ吹き飛ばす。それを呆気に取られて見つめ、最初に我に返ったのはリホだった。
「……皆さん、今です!!」
その言葉に皆も我に返り、張り掛けの結界に神霊を注ぎ込む。結界は直ぐに完成し、空界を包み込んだ。
結界が張り終わる寸前に見えた、ヴィルとウィロア。
生きる目的と迄 言える夢を失った筈の2人は。
――微かに、微笑んでいるように見えた。


