「……もう、これ以上 生きられません。」



ライネスの その言葉に、女神は僅かに驚いたようだった。



「俺は、自分が大嫌いでした。姉が優しいと言ってくれた この性格は、結局は唯の臆病で。自分を認めてくれない世界を一方的に憎んで、滅ぼそうとして、悪魔を召喚して。全てを失って、それでも生きて。予言の実現の為に、愛光達と旅を して。流されて、流されて、唯 生きる。



そんな自分が、大嫌いです。



ずっと、自分が生きている意味を、捜し続けていました。今は見付からなくても、死ぬ間際に、ああ、この為に生きていたんだって、そう思える生き方を しようと、生きて来ました。



でも結局、俺は自分から逃げていただけでした。悪魔から逃げて、仲間から逃げて、優しさから逃げて。何も視界に入れずに生き続ければ、もう、苦しい想いを しなくて済むって。



笑っちゃいますよね。大罪を犯した者が、苦しまずに生きれる筈が無いじゃないですか。幸せに なれる筈が、無いじゃないですか。



俺は唯、己の罪から目を背けていただけです。」



「……だから、死ぬと?」



「俺は、自分で命を絶つ事すら出来ない、臆病者なんです。それなのに、今迄 生き残ってしまったんです。お願いします。












もう、逃げたくないんです。」












ライネスの瞳が、イラを真っ直ぐに見つめた。