「貴方の お名前は?」
アリィの問いに、ライネスは顔を顰めた。
「……ライネス。」
「そう、ライネス。良い名前ね。」
「……何が言いたい?」
ライネスは不機嫌そうにアリィを睨む。
「善良に見える貴方が、何故 悪魔の側に付いたのか、疑問に思って。」
アリィの言葉に、ライネスは ぽかんと した。
「善良? 俺が?」
「ええ。」
「はっ、笑わせてくれるな。あんたは龍族の姫なんだろ? 悪魔を召喚して一族を滅ぼした奴が、善良だって?」
「貴方は後悔していたでしょう?」
アリィが そう言った瞬間、ライネスの顔から笑みが消えた。
「それが何よりの証拠だわ。」
「……何で、それを……。」
「私は、来るべき時の為、リホを通して ずっと貴方達を見ていたから。」
「何だって!?」
アリィの言葉に驚いたのはライネスだけではない。愛光達も また、ぽかんと口を開けた。
「正確には、歴代の巫女を通して、ですが。だから、此処に居る事を知り、封印が解けてから直ぐ、駆け付けました。」
何でも無い事のように、アリィは微笑む。


