予言と未来




「……ライネス……?」



黄金と漆黒のメッシュの髪は、前と変わらず、さらさらと風に靡いている。しかし、両耳は悪魔のように尖り、大きく広げられた翼には、黒い羽が混ざっていた。



そして。



綺羅綺羅と輝いていた紅い瞳には、光彩が無かった。



「…………。」



ライネスは無言のまま愛光達と悪魔との間に降り立つ。その隣には、いつの間に来たのだろうか、ウィロアが居た。



「皆、ご苦労様。地界に戻って良いわよ。」



ウィロアの言葉に悪魔は頷き、次々とワープして行く。そして その場には、愛光達とライネス、ウィロアが残された。



「ライネス! その姿、何なんだよ!?」



ウィンが叫ぶと、ライネスは彼女を見た。



感情の無い、顔で。



「……俺は、龍と悪魔の混血だから。これが正しい姿だ。」



抑揚の無い、冷たい声。



地界へ行く前のライネスは、この世界で生きる事に鬱屈を感じてはいても、必死に前を向こうと していた。諦めた振りを しつつも、まだ、諦めてはいなかった。



けれど、今のライネスは。



全てを捨て、全てを諦めた、殺伐とした雰囲気が伝わって来る。



「ライネスは、私達の仲間に なったのよ。」



ウィロアが そう言って、笑った。