「鎌鼬!!」
遠くから飛んで来た それは、愛光とリホを嘲笑っていた悪魔の数人を切り裂いた。そして、すとんと2人の前に降り立ったのは、人の姿のまま翼で翔んで来たのであろう――。
――ウィンだった。
「もぉっ、速いってばぁっ!」
遅れて走って来たのは、息を切らすレイムと、苦笑するリー、ルーヴだった。
「え、皆!? どうしたの!?」
「どうしたのじゃねェよ! 2人が悪魔と戦ってるっつーから、慌てて駆け付けたんだろ!」
驚いて声を上げた愛光を振り返ったウィンは、ぐっと何かを堪えるような顔を していた。
「あれから ずっと、考えていたんだ。あたし達にとって、仲間って何だったのか。ライネスが、どうゆう存在だったか。」
「…………。」
「答えは、出なかったよ。でも、出なかったからこそ、あたし達は此処に来た。“本当の仲間”を、得る為に。」
「遅くなって御免。」
遅れて到着した4人は、それぞれ頭を下げる。
「そんな、謝る事 無いですよ。」
リホが両手を振って微笑んだ、その時。
「良い雰囲気のとこ悪いけどよ、もう遅いんだっての。」
1人の悪魔が、そう呟いた。
「遅いって、どうゆう事?」
悪魔達を振り返り、皆は息を飲んだ。
いつの間にか悪魔達の頭上で翼を広げ、その場に佇んでいた者。
それは、見た目は変わってしまっていても。
かつて、仲間と呼んでいた存在だった。


