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「ああっ、もう!」
光玉(ライトボール)で近付いて来た悪魔の1人を吹き飛ばし、愛光は悪態を ついた。
地界へ行く方法を知る為に悪魔に接触したは良いものの、愛光とリホの2人だけでは多勢に無勢だ。倒しても倒しても悪魔は次々と襲い掛かって来る。このままでは、自分達の身すら危ない。
「アイカさん、大丈夫ですか!?」
乱闘の所為で少し離れた位置に移動してしまっていたリホが、愛光に走り寄って来た。
リホは巫女と呼ばれるだけあって、魔法の威力は高いし、使うのも上手い。リホが居なければ、愛光は とっくに倒れていただろう。
「大丈夫だけど、このまま戦い続ける訳には行かないよ!」
どんっと愛光とリホの背が ぶつかる。お互いの背中を守りつつ、2人は戦い続ける。
「私達は地界に連れて行って欲しいだけだっての!」
思わず愛光が叫ぶと、悪魔達の動きが ぴたりと止まった。
「……地界に?」
「連れて行って欲しい?」
「まさか あの龍を助ける為か!?」
その言葉が1人の口から飛び出した瞬間、どっと悪魔達が笑い出した。
「ははは、無駄無駄。あいつは もう、堕ちるとこ迄 堕ちたぜ!」
「堕ちた……?」
意味が解らず悪魔の言葉を反芻した時。
「アイカー!!リホー!!」
懐かしい声が、遠くから聴こえた。


