愛光は昔から――両親を交通事故で失った10年前から――変わってた。



人の運命は、最初から決まっている。



どんなに足掻いたって、どんなに藻掻いたって、どうにも ならない。



もし どうにか なるなら、両親は今も、傍に居てくれた筈だ。



小2で両親を失い、祖父母に引き取られ、小6で祖父が亡くなり、愛光には祖母しか居なくなってしまった。



だから、愛光のモットーは“頑張らない”。




頑張ったって、頑張ったって、どうにも ならない事ばかりなのだ。



この世界は。



全てに於いて、どうにも ならない。



人間関係さえも。



だから愛光は思った事は直ぐ口に する。



それで相手が傷付こうが
それで相手に嫌われようが
そんな事は どうだって良い。



結果は全て、生まれた時から定められた――。



――運命なのだから。