「お前はさ、何で魔法の力が弱いか、知ってるかよ?」
「は?」
ヴィルの質問に、ライネスは ぽかんと口を開けてしまう。
「そんなの……生まれ付きだろ。」
「いいや、違う。」
ヴィルは首を横に振った。
「……お前の母――ライラは、美しい娘だった。」
ヴィルの言葉に、ライネスは息を飲む。
「何で……母さんの名前を……。」
「俺とライラは、短い間だったが、夫婦だったからだ。」
「待てよ!」
ヴィルの話に、ライネスは声を荒げた。
ライネスの家族は、父、母、姉、ライネスの4人 家族だった。全員が雷龍で、母は家を離れて遠くに行った事等、1度も無かった。
「あんたが、いつ母さんと知り合ったって言うんだ。」
「ライネス、お前が生まれる前だよ。」
「……は?」
「良く聞け。お前が父と姉だと信じてる そいつ等は、赤の他人なんだ。お前の姉は、お前の父の連れ子で、実の母は既に亡くなっていた。お前の母は俺と結婚したが、空界で お前の父と出会い、再婚したんだ。」
「……それって……つまり……。」
「ああ。お前は、純血の雷龍じゃあない。俺とライラの息子――雷龍と悪魔の混血なんだ。」
何も、言えなかった。


