「いやぁ……っ、ライネス!ライネスっ!!」



もう大好きな彼が、同じ世界に居ないと気付いた時、愛光は その場に泣き崩れた。



(……何で……何で……?)



あんなに苦しんでいた彼を、女神様は見放したんだ。



彼だって、今のままでは居れないと、解っていた筈だ。解っていて、どうにかしようと悩んでいた筈だ。罪を償おうとしていた筈だ。



それなのに。



結局ライネスは、地界に連れて行かれてしまった。



愛光を庇って。



放心状態で暫く泣いていた愛光の頭に、1つの言葉が ぽつりと浮かぶ。









――まだ彼に、名前を呼んで貰ってないのに。









(……ああ……そうだ。私、まだ……。)



まだ、ライネスと別れる訳にはいかない。



ライネスは、愛光を好きだと言ってくれた。



(絶対に、彼を、助けてみせる。)



そう心に強く誓い、愛光は立ち上がった。