「……ス……っ……ライネスっ!」


「っ!!」



突如 聴こえて来た声に、ライネスの意識は夢から現実へと浮上した。



「…………っ。」



目を開ければ自分を覗き込んでいる愛光とリホの顔が見えた。自分が汗だくな事に気付き、ライネスは驚く。



「……良かった。魘されてたけど大丈夫?」



ほっと息を つき、リホが微笑む。



「ああ……。」



先程迄 見ていた夢で聴こえた声を思い出し、ライネスの胃が きゅっと縮こまる。



身を起こして辺りを見渡すと、まだ夜なのだろう、真っ暗だった。しかし仲間は皆 起きて、洞窟の壁に凭れている。



「……悪い。起こしたか?」



ライネスが訊くと、ウィンは不機嫌そうに ふんと鼻を鳴らした。



「それは別に構わないけど、どんな夢だったの?」


「いや……。」



リホの質問にライネスが言いよどむと、リホの隣に居た愛光が口を開く。



「前も嫌な夢を見たって言ってたけど、同じ夢?」


「……いや、違う。」



少し考えてからライネスは答える。確かに過去の夢だが、内容は違った。