が。
「いてっ!」
実際は仰け反っただけだった。
「へ?」
“雷”と言ったくらいだし、とてつもないボルトの電撃を予想していた皆は、ぽかんと その光景を見つめた。
「……ライネス? 今の……。」
「五月蝿い突っ込むなっ!!」
ライネスは全く皆の方を見ない。いや、正確には見なくて済むように、剣で悪魔を薙ぎ払っている。
「ま、まさかライネス……昔と同じで、魔法の威力、超弱いの!?」
「超とか言うなっ!!」
リホの質問に、ライネスの顔は耳迄 真っ赤に染まる。
「だから、魔法 使ってねェだろうがっ!!」
「ぷっ。」
戦いの最中だと言うのに、愛光は吹き出してしまう。
「笑うなっ!!」
「だって、いつも自信満々なのに。」
「剣 使ってんだろっ!!」
確かに、魔法大会で魔法を使った時も、ライネスは剣に雷を纏わせる事しか しなかった。否、それが精一杯だったのだ。


