予言と未来




「この予言に出て来るフェニックス族の巫女は、私です。今、巫女は私しか居ませんから。」



そう話すリホの笑顔は、先程とは違い、哀しそうだった。



「龍族の青年も確定しています。グリフォン族、ペガサス族、そして天使にも、恐らく この人、と言う見当が付いた人は居ます。」



「ちょっと待って下さい! 悪魔が2界を襲うって……?」



意味が解らず、愛光が質問すると、リホは こくりと頷いた。



「今、天界と空界は、悪魔に侵略されようとしています。正しく、予言の通りなんです。そして、さっき貴方を見掛けて、予言に出て来る人間と同じ容姿だなぁと思ったんです。そうしたら、ぶつかってしまいました。」



(ちょっと、待ってよ……。)



愛光は、早く なる動悸を、必死に押さえ付けた。



(幼き頃に両親を亡くし、祖父母に育てられた、って……。)



当てはまる。



愛光の境遇と、全く同じ。



(じゃあ、私が、予言に出て来る人間だって言うの?)



動揺している愛光を見て、リホは申し訳無さそうに言葉を紡いだ。



「出来ればアイカさんには、空界に来て頂いて、共に戦って頂きたいのです。」