「え……え……?」
ライネスが居なくなった暗い夜空の下で、愛光は呟き続けた。
ライネスの言った事は しっかり聞こえた。しかし、理解 出来ない。
「…………。」
(……ライネス……?)
どう言う、事なのだろうか。そのままの意味で取って良いのだろうか。
(ねぇ、ライネス……私、期待して良いの?)
“好きな奴”と言った訳ではない。
しかし。
――気になる奴。
“好きか嫌いか”と言う二択しか無かったら、ライネスの言った言葉は、恐らく“好き”に なるのだろう。
(……貴方が、私の事 意識してるって……。)
期待して……良いの?
ライネスと顔を見合わすのが気不味くて、愛光は暫く、洞窟に戻れなかった。


