(そっか……。)
愛光は、気付いた。
自分達が強くなって天界を護ろうとしているのと同じように。
この大会に参加している人達は。
いや、この世界で戦う全ての人達が。
例え、悪魔であっても。
皆、護るべきものが在って、それの為に戦っているんだと。
(意味も無く相手を傷付ける人なんて、居ないよね。)
まだ身近には感じられないが、天界、空界、人界と地界の間に起こっている争い。
誰かが間違っているとかじゃない。
誰が正義とか言う訳でもない。
戦っている人 全てに想いが在って、
その想いが それぞれの正義で。
その正義の為に、皆 戦うのだと。
(精一杯、戦わなきゃ。)
ユウの為にも。
仲間の為にも。
2界の為にも。
此処に来て、自分が変わった事に、愛光は気付き始めていた。
「ユウ君、行くよ! 手加減なんて、しないから!」
愛光は笑顔で そう言うと、右手に神霊を集め始めた。


