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愛光の相手は、少し歳下の少年だった。
「愛光です。宜しくね。」
「おう! 俺はユウ。」
愛光が名乗ると、相手の少年も笑顔で挨拶してくれる。
そして、試合が始まった。
「光線(ビーム)!!」
先手必勝、とばかりに直様 攻撃した愛光。それを小さい躰を活かして躱したユウは、手から小さな雷撃を放った。
(……ライネスと同じ、雷使い……!!)
自分に向かって真っ直ぐに伸びて来る攻撃を すれすれで躱し、愛光はユウと距離を取った。
そのまま、愛光が攻撃したり、ユウが攻撃したりの繰り返し。その単調な試合の中、ユウが口を開いた。
「ねぇ、アイカはさ、何で戦うの?」
「え、理由?」
「うん。何で この魔法大会に参加したのか、聞きたいの。」
「そうだなぁ……。」
両手を伸ばして結界(シールド)を作り、ユウの攻撃を防いだ愛光は、う~んと首を捻った。
「……強くなりたいから?」
「何で疑問形なのさ。」
ユウは くすくすと笑う。


