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リホの相手は、同い歳くらいの少年だった。
「リホと申します。お手柔らかに。」
そう言って微笑むリホに、相手の少年は ふんと鼻を鳴らす。
「さっきから、そうやって名乗ってから戦う奴が多いな。これから倒す奴だってのに、何で名乗る必要が在るんだか。」
「あら、貴方、ライネスに ちょっと似てるのね。」
リホは くすりと笑い、右手を少年に向かって伸ばす。
「でも……彼の方が紳士かな。」
そう呟いたリホの右手から。
とてつもない量の炎が噴き出した。
「!?」
相手の少年は それに巻き込まれ。
炎が消え去った時、彼は地面に仰向けに倒れていた。
しかし火傷の跡は、全く無い。
「今の幻影で気絶してしまうなんて、大口を叩いていた割には弱いですね。」
そう言って、リホは艶やかな笑みを浮かべた。


