其処には、悔しそうな顔を したリーが居た。
「リー、大丈夫ですか?」
「うん。」
リホの問いに、リーは小さく頷く。
「お疲れ。回復するね。」
レイムがヒールを使っている間、リーは じっとウィンの顔を見つめていた。
「……な、何?」
遂に我慢 出来なくなったウィンが そう訊くと、リーは小さく首を傾げた。
「ねぇ、僕、いつもと違った?」
「え? そんな事ねェと思うけど?」
「そっか……何かさ、緊張した所為か、練習の時みたいに戦えなかった。」
弱いねェ、僕。
そう呟いて、リーは笑う。そして再び、首を傾げた。
「ライネスお兄ちゃんは?」
「何か急に どっか行っちまったぜ。」
ウィンが答えると、リーは頷いた。
「僕ちょっと、捜して来るね。次はウィンお姉ちゃんだっけ? 早めに戻って来るね。」
そう言って、リーは歩いて行ってしまった。


