「い、行きます! 草刃(リーフカッター)!!」
始まって直ぐに攻撃を開始したのは、リーだった。
彼が伸ばした両手から、小さいブーメランのような形を した黄緑色の物体が飛び出す。
それを相手の少女――ルウは簡単に躱した。
「まだまだ! 草蔓(リーフフィップ)!!」
立て続けにリーが魔法を使う。リーが戦う姿を初めて見る愛光には、その全てが新鮮だ。
しかしルウは、するり するりと躱し続ける。
「あの子、見掛けより大分 素早いですね。」
リホが小さく呟く。
「……今度は こっちの番。氷玉(アイスボール)!!」
ルウはリーの攻撃を巧みに躱しながら、器用に魔法を発動する。
直ぐに反応 出来なかったリーを、氷の塊が襲う。
「リー!!」
思わず愛光が叫んだ瞬間。
ルウを攻撃していた草蔓の一部が、リーの目の前に飛び出した。


