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翌日。
愛光達は、魔法大会にエントリーを しに、コロシアムへと向かった。
紙に名前、年齢、種族、魔法の属性を書かされる。
「何の為に書くんですか?」
「トーナメントの1回戦は、年齢が近い人で戦えるように組み合わせを 行います。また、魔法の属性が極端に不利――炎と水、とかですね――に ならないようにも します。1回戦は、全ての選手にチャンスが与えられます。その後の相手は、運も掛かって来ますから。」
受付の女性は、愛光に丁寧に説明してくれる。
愛光の“種族:人間”と、ライネスの“種族:雷龍”と言う文字に彼女は驚いていたが、何も言わずにエントリーを済ましてくれた。
「それでは、大会は明後日と なります。健闘を期待しています。」
彼女の営業スマイルに見送られ、愛光達はコロシアムを出た。
「やるからには優勝しようぜ!」
ウィンが空に向かって拳を突き上げる。それを見たら、何だか笑えて来てしまった。
(……でも これで……。)
強くなれるんだ。
空界を護るのに、一歩 近付く。
愛光は空を見上げて、微笑んだ。


