くるうみ。~あなたと過ごした3日間~

「勇人ぉ、こっちこっち!」


幼なじみの梨花が俺に向かって手を振ったけど、俺はわざとシカトした。


ボカッ☆


梨花から見事なストレートパンチが飛んで俺の頭を直撃する。


俺は頭を抱え込んで梨花を睨みつけた。


「いって~~何すんだよ!!」


「あら、呼んでも聴こえない振りをする悪い頭を活性化しようとしただけじゃない。
だいたいくるうみのパートナーを放ってどこに行ってたのよ!?」


よく見たら浴衣を着てた梨花を見た瞬間、俺の心臓がおかしいくらい速く打ち始めた。


なんだ? 梨花が……かわいく見えるなんて俺どうした?


「ほら、せっかくの自由時間、龍神祭に行こうよ! あたし金魚すくいとヨーヨー釣りしたい!」


梨花は俺が着た紺色の浴衣の袖を引っ張って校外に出た。


悪友どもに冷やかされるけど、たまには悪くないかもな。