くるうみ。~あなたと過ごした3日間~










「勇人、何やってんだよおまえ」


「あ、いや……なんとなく空から呼ばれたような気がしてな」


「勇人、またそれかよおまえ……マジヤバくね?
おまえ、ちっちぇ頃は白い龍神さまが見えるなんて言ってたもんな」


「んなことねえよ!」


悪友達にはそう誤魔化したけど、実際あれは夢なんじゃないかと思えた。


俺が小さい頃によく見たのが、雲の彼方からちらっと見える白い龍神。


キミコおばちゃんや神社の龍神像によく似てる。


だけど、今は言っても信じてもらえないからマジな顔して言えない。


だけど、母さんだけは笑顔を浮かべて信じてくれるんだ。


「鈴本 勇人、早くしろよ! おまえの愛しの梨花ちゃんが待ってるだろ!」


山潮高校の階段で悪友の加藤が俺をからかう。


「ば、ばか! 誰があんな女が愛しのだよ!」



俺は加藤に蹴りを入れてヤツを懲らしめた。