夏休みが終わる直前、あたしの体にちょっとした変化が起きた。
月経が2ヶ月来なかったから心配して亜美に相談したら、くるうみの時の事を知ってる亜美からもしかしたら赤ちゃんじゃない、と言われた。
亜美は年が離れたお姉ちゃんが結婚して姪もいるからあたしよりそういう事は詳しい。
まさかと思ったけど、とにかく薬局で検査薬を買って検査したら、線がくっきりと出て信じられない気持ちだった。
まさか……
だけど……だけど。
悩んだあたしは思い切ってお母さんに相談したら、お母さんは怒りもせずに聴いてくれた。
そして、産婦人科に明日行くかねとあっさり言われた。
「勇人君はきっと瑠璃香に何か証を残したかったんだと思うよ。愛しあった、生きた証を。
あたしは勇人君が本当にあんたを愛して大切にしてたのをわかってたから、もしも勇人君が結婚したいと言っても反対するつもりはなかったよ」
お母さんの暖かい言葉に涙が流れた。



