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くるうみが終わった翌日に勇人のお通夜があり、次の日に葬儀が行われた。
あたしはもう涙も枯れ果てて、さよならをする気力も起こらない。
勇人を失った現実の重さに心が押しつぶされそうになり、ぽっかりと開いた穴は何をしても埋まらない。
勇人の体が火葬場で焼かれる時、あたしは狂ったように彼を守ろうとした。
せっかく安らかになれたのに、火に焼かれて苦しめるのは嫌だったし、勇人の体がなくなるのが耐えられなかった。
だけど、亜美やお兄ちゃんに天国に行くのに必要だからと言われて泣き崩れて承諾するしかない。
勇人は灰になって、天国にいる曾おばあちゃんに遊びに行ったんだね。
あたしはそうつぶやいた。
そうしないと挫けてしまいそうだった。
曾おばあちゃん、勇人が天国に行ったよ。
いっぱいいっぱいお話してあげてね。
あたしが逝く日まで、2人で待っててね。
スイカ食べ過ぎてお腹壊させないでよ、勇人は異様なくらいスイカが好きだから。
あたしはペンダントを握りしめて曾おばあちゃんに話しかけた。



