くるうみ。~あなたと過ごした3日間~

男の子が自分は初めてだなんて告白するなんて、すごく勇気が要るんだと思う。


男の子って変なところで自尊心があるから、きっと見栄を張って格好つけるためにさも経験者のフリをすると思ったんだけど。


勇人は正直すぎるよ。


あたしの体から緊張の力が抜けて、ふっと気が楽になった。


勇人が初めてだったのは嬉しい。


こんなかっこいい人があたしを初めてに選んでくれたんだから。


おデブなあたしと違ってきっと今までチャンスはたくさんあったはずなのに。


嬉しかった。


だから、あたしも正直になろうと思う。


立ち上がったあたしは背後から勇人に抱きついて囁いた。


「ありがとう、あたしを選んでくれて。
あたしも初めてだから……でも、勇人だからいいんだ。
同情とかそんなのじゃない。
勇人だから欲しいと思ったんだよ。
だから、大丈夫。勇人の好きなようにして……」


「瑠璃香……」


勇人の手があたしの手のひらに重ねられた。


温もりがひとつになったころ、勇人はあたしを抱きしめて、ぎこちなく唇を重ねた。