そんなのは寂しいし、悲しい。


勇人は最大限の努力であたしを思って自制してくれてたんだ。


男の子の性衝動は凄いって聴いた事がある。


ある時期はそれで頭がいっぱいになるくらいで、それを抑えきるのは大変だと。


男の子がエッチなのは自然な事なんだって。


だけど、勇人は確かに時々エッチなことは言ったけど、行動では示さなかった。


あたしを抱きしめるのだって数えられるくらいで。


それだけあたしを大切に扱ってくれた。


本当に、大切に思ってくれたんだ。


ジインと胸が熱くなる。


正直に言えば、確かに怖いしまだ早いとは思う。


あたしももう少し手順を踏んで、時と場所を選んで……とは考えたし。


だけど……だけどね。


あたしも勇人が欲しい、と思った。


こんな風に女の子が考えるなんてすごくはしたない事なのかもしれない。


けど、あたしは勇人だからなんだ。


彼だから、肌を触れあわせたいと切に思う。


今たとえお金持ちのイケメンから熱心に求愛されたとしても、あたしは勇人を選ぶ。


勇人だから……


あたしは、小さく頷いた。