くるうみ。~あなたと過ごした3日間~

「勇人……勇人!」


本当に怖かった。


そのまま沈んで終わりかと思ったくらいに。


勇人の存在が何よりも頼もしくて、その力強さに安心して全てを委ねたい気持ちになった。


勇人の確かな感触と温もりを確かめたくて、彼の背中に回した腕に力を入れて体を寄せた。


あったかい……


勇人もあたしも生きてる。


今この瞬間にあたし達は確かに存在している。


この広い海の中で、あたしが勇人のそばに居られる奇跡を想うと、涙が流れるくらい感動しそうになった。


もしかしたら、あたしと勇人は一生巡り会わなかったのかもしれない。


見知らぬ他人として人混みや雑踏の中ですれ違っても、きっと気付かないような。


でも、あたし達は出逢えた。


勇人は九州にいたけど、あたしのいる中部地方にまでわざわざ来てくれたんだ。


曾おばあちゃんとの約束を護るために。


だから……


あたしは曾おばあちゃんに感謝したい。


曾おばあちゃん、ペンダントは確かに効果あったみたい、って。