「でもなあ、マタタビの実は普通秋に成るけど、なんでこんな夏に成るんだ?」
勇人はやっぱり知識がスゴい。
感心したあたしはサルナシの実を食べてお腹が少しは収まった事もあり、ちょっとハイになって勇人の背中を叩いた。
「いいじゃん、いいじゃん! これこそ天の恵みだって。それじゃあもっと摘んで行こうよ。こんなにあるんだしさ」
あたしはポケットからビニール袋を取り出すと、手近なサルナシの実を摘んでいったけど、まだ残ってる時点で勇人に止められた。
目の前に大きなサルナシの実がたわわに実ってるのに、なんで?
「なんで止めるの? 非常食で採れる時に採っておかないと、他に食料が確保できなかったら困るでしょう?」
勇人の体の事も考えて食料が切れたら困るから、と全部摘もうとしたあたしはムッとして本人に訊いた。
すると、勇人はこんなことを言う。
「駄目だ。この島の自然は俺たちだけのものじゃない。ここに生きる動物達の貴重な食料になるんだ。
俺たちはあくまでも邪魔させてもらってる客に過ぎない。
普通他人の家に土足で上がった上に食料を荒らすか?
それと同じことだよ」
勇人はやっぱり知識がスゴい。
感心したあたしはサルナシの実を食べてお腹が少しは収まった事もあり、ちょっとハイになって勇人の背中を叩いた。
「いいじゃん、いいじゃん! これこそ天の恵みだって。それじゃあもっと摘んで行こうよ。こんなにあるんだしさ」
あたしはポケットからビニール袋を取り出すと、手近なサルナシの実を摘んでいったけど、まだ残ってる時点で勇人に止められた。
目の前に大きなサルナシの実がたわわに実ってるのに、なんで?
「なんで止めるの? 非常食で採れる時に採っておかないと、他に食料が確保できなかったら困るでしょう?」
勇人の体の事も考えて食料が切れたら困るから、と全部摘もうとしたあたしはムッとして本人に訊いた。
すると、勇人はこんなことを言う。
「駄目だ。この島の自然は俺たちだけのものじゃない。ここに生きる動物達の貴重な食料になるんだ。
俺たちはあくまでも邪魔させてもらってる客に過ぎない。
普通他人の家に土足で上がった上に食料を荒らすか?
それと同じことだよ」



