美紀さんが間に入ってくれたお陰であたしも硬さが取れて緊張が解れてきた。


美紀さんは記念写真とか言ってあたしと勇人を何枚か撮ってた。


辰美島までは船でものの数分あれば着くんだけど、その間には特に何の話もせず近づいてくる島を眺めながら改めてスゴい場所で3日間過ごすんだ、と実感する。


切り立った断崖絶壁の崖に囲まれ、高低差は半端じゃない海上の孤島。


無人島なのはそれも一つの原因だけど、何よりも龍神さまの棲む島として崇められてきたから。


そんな島でなぜサバイバルなんてするのかと思うけど、男女の仲を深める交感が神事のひとつと認められたからとか。


まあ実際にこのイベントで結ばれた夫婦が多い現実から、あながち間違いじゃないと言えるけど。


結婚式でも神さまに愛を誓う神前式ってのがあるし。


ともかく、あたし達はくるうみの舞台である辰美島に着いて足を踏み入れた。


到着したのは午前9時過ぎ。


さて、今から3日間のサバイバル生活が始まるのだわ!


あたしは勇人のそばで自分に発破をかけた。


大丈夫、きっと大丈夫。


信じればきっと平気だ、と。