くるうみ。~あなたと過ごした3日間~

あたしはその場から動けず、勇人から目をすぐに逸らした。


……やだ。


なんで今さら恥ずかしくなるの?


今まで散々勇人の目を見てきたのに、逃げ出したい衝動に駆られたから、思わずその場から後ずさり、後ろにいた人にぶつかって体がよろめいた。


「大丈夫か、瑠璃香」


いつの間にかあたしのそばに来ていた勇人が体を抱き留めてくれて事なきを得たけど、勇人の胸の感触を得たあたしは思わず彼から離れた。


「あ、ありがとう。もう波止場に行こうよ、ほら! 乗船始まってるから」


無意味に視線を泳がせて指さすと、勇人から逃げるように波止場を目指し走り出した。


やだやだやだ!


なんであたし、こんなに緊張してガチガチなわけ?


勇人を必要以上に意識して不自然な態度を取りまくって……


絶対に勇人もおかしく思ってるよ!


何ともないように振る舞わないと……


だけど、だけど。


勇人の顔が見られないよお。


少しでも彼を感じると、反射的に体が逃げようとしてるんだから、自分ではどうしようもないの!?