くるうみ。~あなたと過ごした3日間~



そういえば、今年の春まで貯金してたっけ。山潮高校に受験して合格するためにあたしはいまいち成績が足りなかったから、いろんな誘惑を退けるために一回100円かなんかで貯金して、合格したら晴れて好きなものを買おうって。


入学したらバタバタしたし、明石先輩のことや部活とかで忙しくてすっかり忘れてたけど。


藁にもすがる思いであたしはブタさん貯金箱を割ってみた。


中身はやっぱり100円玉が多かったけど、中には500円玉もあって、数えてみたら3万円近くあった。


さすがに一年間コツコツ貯めた金額はバカにできない。


「よかった! これで勇人を病院に連れていける」


あたしはホッとして貯金箱の前で両手を合わせ胸に当てた。


後はどうやって勇人を病院に連れて行くかだけど、明日くるうみだからそれを休むには何か理由がないと……。


どうしようかと部屋をぐるぐる周りながら思案してると、いきなり部屋の襖が開いて茉莉花が顔を出した。