くるうみ。~あなたと過ごした3日間~

すると、お父さんは気難しい顔になってあたしに聞き返した。


「それは……病院に行くのは誰なんだい?」


まさに勇人だとは正直に言えず、あたしは友達の親戚だと誤魔化した。


すると、お父さんは顎に手を当ててしばらく思案した後、ひとつの科を指差した。


「俺も素人だから断言はできんが……それだったらおそらくこれだ。心臓内科か循環器科。
狭心症かなんかの発作に似てる。
俺の知り合いもそれを患ってるからな」


「狭心症……って心臓の病気の?」


怖くなってそれ以上聴きたくないのが本音だったけど、勇人のために知っておきたくてお父さんに詳しく訊いた。


「ああ、まあその症状からして可能性としては高いだけだがな。

狭心症ってのは文字通り心臓の血管が狭くなる病気でな、酷くなると心筋梗塞まで進んじまう。
軽く見ずに早く受診を勧めた方がいいぞ」


心筋梗塞……確か危ない病気だって聴いた事がある。


「あったあった」


あたしが呆然としている間、お父さんは電話帳からある病院を調べて指さした。


「これがこの付近の循環器系じゃ一番の病院だよ」